2025年10月7日、Googleの新サービス「Opal(オパール)」が日本から使えるようになりました!
Opalは、GoogleのAIサービスを組み合わせて様々なアプリを簡単に作れるツールです。
料金はもちろん無料。
日本でも注目を集めており、Difyやn8nといった既存のワークフロー構築ツールへの影響も指摘されています。
この記事では、Opalの基本的な使い方や、実際に使ってみてわかったことを詳しく解説します。
最後には
「n8n・DifyユーザーはOpalも使った方が良いのか?」
という問題について、個人的な考えも述べています。
ぜひそちらもチェックしてください。
【まとめ】Opalでできること&n8n・Difyとの違いを紹介
Opalの使い方の解説に入る前に、この記事のポイントをざっくりまとめます。
- Opalを使ってできること
- n8n・Difyとの違い
この2点を中心に解説していきます。
Opalを使ってできること
はじめに、Opalを使ってできることを解説します。
一言でいえば、Opalは
「GoogleのAIサービスを繋ぎ合わせることができるバイブコーディングツール」
という認識が正しいと思います。
そして、無料で利用することができます。
イメージとしては「Google AI Studio」の「Build」機能に近い感覚です。
・Opal公式URL
https://opal.withgoogle.com/
Opalでできることをまとめると、以下のとおりです。
- GoogleのAIサービスを組み合わせたアプリを構築できる
- アプリはプロンプト(自動生成)でも手動でも作成可能
- 作成したアプリを他の人とシェア・公開できる
プロンプトは日本語にも対応しています。
じっさいにアプリを構築する流れをお見せします。
以下の動画は
「キーワードを指定したらGoogleでニュース検索し、ニュースの記事URL、記事タイトルを抽出してくれるアプリを作って。ニュースの公開日も指定できるようにしたい。」
このプロンプトで1つのワークフロー(AIの組み合わせ)が構築される様子です。
このように、プロンプト入力から十数秒で1つのアプリが作れます。
一見すると、Opalはn8nやDifyと似ているように感じますが、実際には明確な違いがあります。
次の章でそのポイントを詳しく解説します。
n8nやDifyとの大きな違いは2つ
Opalとn8n・Difyを比較すると、以下の2点が大きな違いです。
- Opal内で使えるのはGoogle関連サービスのみ
- OpalにはAPI連携する機能がない
それぞれ解説します。
① Opalで使えるのはGoogle関連サービスのみ
Opalで使える、つまりワークフローに入れられるのはGoogleが運営するサービスのみです。
具体例を挙げると
- Gemini 2.5 Flash image(Nano Banana)
- Imagen 4
- Veo(Veo3は利用不可)
- Googleスプレッドシート
などです。
下の画像はOpalで使えるGoogleのサービスの一部です(他にも選択肢はあります)。
n8nやDifyだと、Google系を含めた多様なサービス(OpenAI、Slack、Notionなど)を自由にワークフローに組み入れることができます。
この違いは大きく、端的に言えば
「Opalは自由度が低い」
と言えます。
Google関連以外のサービスも使ってタスクを自動化したいなら、「n8n(エヌエイトエヌ)」や「Dify(ディフィ)」を使ってください。
② OpalにはAPI連携する機能がない
Opalには、外部サービスと連携するための「API連携機能」がありません。
そのため、以下のようなことができません。
- LINEやSlackに自動通知
- Googleカレンダーに自動で書き込む
- Gmailの自動返信
n8nやDifyでは、こうした外部連携を自在に行えるため、業務の自動化ツールとして広く活用されています。
私がOpalを
「ワークフロー構築ツール」
ではなく
「バイブコーディングツール」と
表現する理由は、このAPI連携不可という制約にあります。
とはいえ、Opalは2025年7月にリリースされたばかりのアプリです(日本での公開は10月から)。
将来的にはGoogle以外のサービスも使えるようになり、API連携も可能になる可能性があります。
今後の展開を期待しましょう!
次は、Opalの使い方を解説します。
Opalの使い方・機能を解説
ここからは、私が実際にOpalを使ってみてわかった、使い方や機能を解説します。
今のところ、Opalはとてもシンプルなサービスです。
n8nと比べると遥かにハードルは低いです。
Difyと比べてもずっと簡単ですので、初心者にとって非常に使いやすいツールだと思います。<
この記事では実践的な方法でOpalの使い方を解説します。
アプリを自分で作れるだけでなくテンプレートもある
Opalでは、以下の2つの方法でアプリを利用できます。
- 自分でアプリを作る
- Googleが用意したテンプレートアプリを使う
2025年10月時点では、Googleが提供しているテンプレートアプリは12種類あります。
ただし、これらのテンプレートはカスタマイズ(機能の修正・追加)ができません。
そのため、自分の使い方に合ったアプリを作りたい場合は、自作するのがおすすめです。
Opalの画面の「Gallery」部分にあるのがGoogleが用意したアプリです。
場所については以下の画像を参考にしてください。
プロンプトからアプリを作る方法
Opalを使い、自分でプロンプトを入力し、アプリを作る方法を解説します。
① プロンプトを入力する
まず、Opalトップ画面にある「Create New」をクリックします。
次の画面の下部にプロンプト入力フォームがあります。
基本的には、ここにプロンプト入れるだけでOKです。
プロンプトは英語・日本語両方に対応しています。
実際にプロンプトを入れてアプリを作ってみましょう。
ここではYouTubeの内容をクイズ形式で出題してくれるアプリを作ります。
一種の学習用アプリですね。
プロンプトは以下↓
指定したYouTubeの内容から、日本語でクイズを作成して。そして、そのクイズをフラッシュカード形式で問題にして。アプリのインターフェイスも含め、すべて日本語表記でお願い。
このプロンプトで作られたのが以下の構成のアプリです。
② 作ったアプリを使ってみる
作ったアプリを実際に使ってみましょう!
先ほどの画面の右側にアプリを操作できる画面があるので、ここからYouTubeのURLを入力します。
操作してる様子は下の動画で確認できます。
URLを入力してから、数十秒でアプリが完成しました!
以下の動画はじっさいにクイズアプリを使っている様子です。
ちなみに、Opal画面上部にある「App」をクリックすると大きな画面でアプリを起動できます。
大きな画面で使いたい場合はAppをクリックしてください。
手作業でノードを追加してアプリを作る方法
次はプロンプトを使わずに手でノードを追加してアプリを作る方法を解説します。
手動の場合、画面上部に配置されてる以下の4つを使います。
- User Input:ユーザーが情報を入力するノード
- Generate:生成AIを活用できるノード
- Output:ワークフローの最終地点の成果物を作るノード
- Add Assets:参考にする情報等を追加するノード
今回はキーワードを指定したら、そのキーワードでSEO対策を施した記事を作る、というシンプルなアプリを題材にして、作り方を解説します。
はじめに、これから作るアプリの全体の構成を紹介します↓
このアプリを作るためには、まずUser Inputノードを追加します。
ノード同士をつなげる方法は下の動画で確認してください。
「User Input」をクリックすれば追加できます。
ついでにノードの名前を変えておきましょう。
ノードの追加方法と名前の変更方法は以下の動画を参考にしてください。
次に追加するのはGenerateノードです。
Generateノードを追加したら、先ほど追加したUser Inputノードと繋げます。
そして、生成AIに指示するプロンプトを入力します。
こちらも下の動画を参考にしてください。
最後にOutputノードを加えます。
このノードに記事が出力されます。
Outputノードでは出力形式が指定できます。
出力形式は複数ありますが、代表的な出力形式は以下の2つです
- Manual layout
- Webpage with auto-layout
それぞれどのように出力されるかは以下の画像で確認してください。
じっさいにOpalで作ったアプリに「n8nの使い方」というキーワードを指定し、生成された記事です。
必要に応じてAPPとEditorを使い分ける
Opalでは、アプリ構築画面で
- APP
- Editor
このどちらかをクリックすることで、インターフェイスを切り替えることが可能です。
「APP」はアプリの実行画面で、Editorはアプリを追加・編集する画面です。
具体的にどんな風に切り替わるかは以下の動画を参考にしてください。
アプリのThemeを登録する方法
Opalでアプリを作っていくと、以下のように続々と画面内にアプリが追加されていきます。
このとき、意外と重要なのが「Theme」です。
Themeとは、アプリに表示される画像のことです。
この画像を登録することで、それぞれのアプリが見分けやすくなります。
アプリにThemeを登録する方法を紹介しますね。
以下の流れでThemeを作成・登録できます。
- OpalのEditor画面で右上にある「Theme」をクリック
- 「Generate your own theme」で作りたい画像のイメージとなるプロンプト入力
- 「Theme for your Opal app」で生成された画像を選択
これでThemeを登録できます。
Themeを登録し、アプリを識別しやすくしましょう!
作ったアプリをWEBに公開する方法
Opalで作ったアプリはWEBに公開できます。
URLを発行できるので、友達・同僚とアプリを共有することも可能です。
方法はとても簡単。
まず、Editor画面右上にある「Share app」をクリックします。
ウィンドウが表示されるので、ここで「Publish your Opal」をオンにします。
ONにするとアプリのURLが表示されるので、SNSに投稿したりして広めてください!
n8n・DifyユーザーはOpalも使った方が良いのか?
ここまで、Opalで出来ることや使い方を紹介しました。
最後に
「n8n・DifyユーザーはOpalも使った方が良いのか?」
という問題について少し触れたいと思います。
結論から先にいうと、私は個人的には
「n8n・DifyユーザーはOpalも使った方が良い
と考えています。
説明したように、今のところOpalはn8n・Difyのような「ワークフローツール」とは言えません。
よって、Opalの登場でn8nやDifyのシェアや活躍の場が減るとは思えません。
しかし、Opalの運営会社はGoogleです。
Googleは無料なおかつ優れたAI製品を続々と公開し、他社からのシェアを取る、という作戦を実行してる最中です。
その結果、Google関連のAIサービスはどんどん普及しています。
Opalの弱点はGoogle製品以外が使えないことです。
ですが、もしGoogleのAIサービスが今以上に普及したら、Googleのサービスだけで仕事の業務自動化が完結する未来が到来するかもしれません。
このような状態になったらOpalは大活躍します。
Opalのもうひとつの弱点は「API連携できない」という点です。
これについては、Googleが許可したらどんどんAPI連携できるようになります。
状況によってはAPI連携機能を追加するでしょう。
そうなったら、Opalはn8nやDifyの明らかな競合となります。
もしOpalがAPI連携を解放しワークフローツールになり、完全無料で使えたらどうなるでしょう?
例えるならn8nクラウド版(最低でも1ヶ月3,200円の料金)が完全無料で使えるようになる感じです。
おそらくn8nやDifyのユーザーはOpalに移動するでしょう。
AI製品への課金者が増えている今、「無料」というのはそれくらい魅力的なのです。
このような時に備え、n8n・DifyユーザーはOpalも使っておいた方が良いと思います。
私はn8n・Difyの両方とも使っていますが、これからもOpalの動向は追いたいと考えています。
よくある質問
- Q作ったアプリが上手く動かない時はどうしたら良いですか?
- A
上手く動かない時は一回止めて、また動かすと次はすんなり行くことがあります。動作が止まっている時などは一回止めてまた動かしてみてください。
