田辺勝裕
n8nをセルフホストで使い始めた初心者の多くが最初につまずくのが、「GoogleのOAuth認証の設定」です。
この記事では、初めての方でも迷わず設定できるよう
- n8nの管理画面
- Google Cloud Console（Google側の設定画面）
この2つの画面キャプチャー画像をたくさん使いながら、OAuth認証の設定方法を解説します。
画面の指示にそって進めれば、設定は数分で完了します。
n8nとGoogleサービスの連携で自動化の第一歩を踏み出しましょう！
① OAuth認証の設定に必要なものを準備
はじめに、n8nとGoogleのOAuth認証の設定に必要なものを紹介します。
必要なのは以下の2点です。
- n8nが動く環境
- Googleアカウント
「n8nが動く環境」というのは、n8nのセルフホストの設定が完了している環境のことです。
セルフホストはサーバー、ローカルどちらでもOKです。
Googleアカウントは、Gmailを持っていればOKです。
もしn8nのセルフホスト方法でお困りの場合、以下の記事を参考にしてください。
n8nのセルフホストについて解説した記事です。
② Googleと認証するn8nワークフローを作成
準備が整ったら、OAuth認証の設定を始めましょう。
まずは、Googleと連携するためのn8nのワークフローを作成します。
n8nを開いて、「Add first step」をクリックしてください。
次に、Googleと認証が必要なノードを追加します。
ここでは例として、Google Sheets Triggerを使って設定を進めていきます。
Google Sheets Triggerを追加したら、その中の
「Select Credential」
をクリック。
次は
「+ Create new credential」
をクリックしてください。
次の画面では「Open docs」をクリックします。
クリックするとGoogle Cloudの画面に移動します。
「Open docs」の下にある「OAuth Redirect URL」は後ほど使うことになります。
コピペして保管する必要はありませんが、あとで使うことを覚えておいてください。
③ Google Cloudでプロジェクト作成
「Open docs」をクリックしGoogle Cloudに移動したら、以下の順でクリックしてください。
- 画面上にある「My First Project」
- 右上の「新しいプロジェクト」
次の画面ではプロジェクト名を入力し、作成をクリックしてください。
ここでは「n8n google credentials」というプロジェクト名にしました。
④ Google CloudでOAuth認証に必要な情報を入手
ここからは、新しく作ったプロジェクト向けにOAuth認証に必要な情報を入手します。
Google cloudの画面で「My First Project」をクリックします。
先ほど新規作成したプロジェクト「n8n google credentials」をクリック。
クリックするとプロジェクト画面に移動します。
移動したら、以下の流れでクリックしてください。
- 画面左上のメニューボタン
- サイドバーに表示される「APIとサービス」
- ②をクリックすると表示される「OAuth同意画面」
下の画像を見ながら移動するとわかりやすいと思います。
「OAuth同意画面」をクリックすると
「Google OAuth Platformはまだ構成されていません」
と表示される画面になります。
この表示が出たら「開始」をクリックしてください。
次の画面では以下の2点を入力してください。
- アプリ名
- ユーザーサポートメール
アプリ名はn8nのワークフローであることがわかる名前が良いと思います。
ここでは、アプリ名を
「n8n google api」
としました。
ユーザーサポートメールに登録したメアドは、Google側が認証についての質問があった時に使用されます。
Google側から問い合わせが来ることは稀だと思いますが、定期的にチェックするメアドを登録してください。
アプリ名とユーザーサポートメールを登録し「次へ」ボタンを押すと
「対象」
という画面になります。
ここでは「外部」を選択してください。
次の画面では連絡先を登録します。
先ほど登録したユーザーサポートメールと同じメアドでOKです。
次の画面で「同意」をチェックしたら「作成」をクリックしてください。
またGoogle Cloudのトップ画面に戻ってください。
こちらをクリックするとGoogle Cloudに戻れます。
サイドバーの
「APIとサービス」
をクリックし
「認証情報」
をクリックします。
次の画面では以下の順番でクリックしてください。
- 認証情報を作成
- OAuthクライアントID
次の画面では以下のように入力してください。
- アプリケーションの種類：ウェブアプリケーション
- 名前：わかりやすい名前を入力してください
- 承認済みリダイレクトURL：n8nの「OAuth Redirect URL」をコピペ
補足すると、n8nの「OAuth Redirect URL」はn8nのワークフロー内から取得できます。
以下の画面を参考にして取得してください。
もろもろ情報を入力し「作成」ボタンを押すと以下の画面になります。
以下の2種類の情報が表示されます。
- クライアントID
- クライアントシークレット
これでOAuth認証に必要な情報の入手が完了しました。
次は、この情報をn8nに登録します。
⑤ n8nでOAuth認証情報を登録
ここからは、またn8nの画面に戻ります。
OAuth認証の設定をするノードをクリックし
- クライアントID
- クライアントシークレット
の2つをペーストしてください。
ペーストしたら、画面の下にある
「Sign in with Google」
をクリックしてください。
すると、以下の画面が表示されます。
このエラーは、Googleに登録された「テストユーザー」に自分のアカウントを登録していないことが原因です。
安全性の問題ではないので安心してください。
この画面が出た場合、またGoogle cloudのトップに戻ります。
トップに戻ったらサイドバーから「APIとサービス」をクリックし「OAuth管理画面」に移動します。
そして以下の作業をしてください。
- サイドバーの「対象」をクリック
- テストユーザーの「Add users」をクリック
- アカウント連携するGoogleのメアドを登録し「保存」をクリック
この作業を終えて、再び
「Sign in with Google」
をクリックすると、以下の画面になります。
ここでは「続行」をクリック。
次の画面では「すべて選択」をチェックし、進行してください。
そうすると、Googleアカウントの認証が完了します。
認証に成功すると下の画面のように、緑色の帯が表示されます。
ここに「Account connected」と表示されていれば、認証成功です。
これで連携完了・・・ではなく、もう一つやるべきことがあります。
次で設定は最後ですので、頑張りましょう！
⑥ Google Drive APIを有効化する
最後にGoogle Drive APIを有効化します。
ここでGoogle Drive APIが出てくるのは、Google Sheetsにアクセスするには裏側でGoogle Driveの権限が必要になるからです。
そのため「Google Drive API」も有効にしておく必要があります。
Google Cloudの左上のナビゲーションメニューをクリックし
- APIとサービス
- ライブラリ
このように移動してください。
次の画面では検索窓に
「Google Drive API」
と入力します。
すると、Google Drive APIが表示されるのでクリック。
ここで「有効にする」をクリックするとGoogle Drive APIが有効化されます。
これで、n8nとGoogleのAPI連携の設定は完了です！
お疲れ様でした！
⑦ n8nとGoogleがAPI連携できてるかを確認
n8nとGoogleのAPI連携設定が完了したので、連携できてるかを確認しましょう。
n8nの画面にいき、最初に追加したGoogle Sheets Triggerのノードをクリックしてください。
次の画面で
「From List」
をクリック。
ここで、連携したGoogleアカウントのスプレッドシートを選択できていれば連携できています。
n8nとGoogleのOAuth認証の設定の解説は以上です。
n8nをセルフホストした場合、このような設定が都度発生します。
この記事を読んで
「自分は非エンジニアだから、毎回こんなOAuth認証するのは無理だ」
と思った方は、クラウド版の利用を検討してください。
なぜなら、クラウド版を利用すればこのような設定は不要になるからです。
セルフホストと比べると毎月の出費は増えますが、OAuth認証の手間はゼロに近くなります（n8nの画面からクリックするだけ）。
n8nのセルフホストとクラウド版の違いは以下の記事で詳しく解説しています。
興味がある方はぜひチェックしてください。
