n8nをローカル(自分のパソコン)から使う最大のメリットは「お金」。
今回紹介する、ローカル環境でn8nを構築する方法なら費用は0円です。
完全無料でn8nを使えるので、独学でじっくりn8nを学びたい人におすすめです。

n8nのクラウド版・セルフホスト版・ローカル版の違いは以下の図で確認できます。

n8nのクラウド版・セルフホスト版・ローカル版の違い

この記事では最も簡単なn8nローカル版のインストール方法を紹介します。
記事を読みながら手を動かせば、早ければ5分以内にローカル版n8nのセッティングが完了します。
あわせて、ローカルにインストールしたn8nをアップデートする方法も紹介します。
両方ともとても簡単ですので、ぜひ試してみてください。

【準備】Dockerをインストール

まず、ローカルでn8nを動かす環境を用意しましょう。
今回使うのはDocker(ドッカー)というアプリです。

Dockerは「仮想的なアプリ環境を作るツール」です。
n8nのようなアプリを、パソコンに直接インストールせず、安全かつ手軽に試すことができます。
あまり難しく考える必要はなく
「Dockerさえ入れれば、n8nもすぐ動く」
くらいの理解で大丈夫です。

Dockerは公式サイトから無料で入手できます。
以下からDocker公式サイトURLにアクセスしてください。
https://www.docker.com/

公式サイトにアクセスしたら
「Download Docker Desktop」
と書かれたボタンをクリック。
インストールしたいパソコンに適したOS等を選択してください。

Docker公式サイトでDockerをダウンロード

ダウンロードしたらインストールしてください。
私はMacのApple Silicon用をインストールしましたが、約2GBでした。

インストールできたら準備完了です!

Dockerからn8nをローカルにインストールする流れ

今回紹介する方法では、Docker上で操作しn8nをローカルにインストールします。

まず、さきほどインストールしたDocker Desktopを起動してください。
起動したらサイドバーにある
「Images」
をクリック。
次に真ん中あたりに表示される
「Search images to run」
をクリックしてください。

Docker Desktopの「Images」と「Search images to run」をクリック

次の画面では検索窓に
「n8n」
と入力し、検索後に表示される
「n8nio/n8n」
を確認してください。
確認できたら、右側にある
「Pull」
をクリック。
「Pull」はn8nの本体をダウンロードする作業です。

「n8nio/n8n」を確認したら「Pull」をクリック

画面が切り替わるので、下の画像を参考にしながら
「Run」
をクリックしてください。
「Run」は、ダウンロードしたn8nを起動する操作になります。

「n8nio/n8n」を確認したら「Run」をクリック

「Run」をクリックするとセッティング画面にうつります。
下の画像を参考にして 「Optional settings」 をクリックします。

「Optional settings」をクリック

次の画面に表示される項目を埋めます。

「Container name」
には、n8nであることがわかりやすい名前を入れてください。
「Ports(ポート)」
の部分は
「5678」
と入れてください。

ポート番号「5678」は、n8nが標準で使う番号です。
他のアプリとぶつからなければ変更してもOKですが、初心者はこのままで問題ありません。

Volumesでは以下の2つの項目を設定します。

  • Host path(ホストパス)
  • Container path(コンテナパス)

Host pathは、MacとWindowsで入力する内容が変わります。
Macの場合は以下を入力してください。

/Users/あなたのユーザー名/Documents/n8n-data

Windowsの場合は以下を入力してください。

C:\Users\あなたのユーザー名\Documents\n8n-data

Container pathは以下を入力してください。

/home/node/.n8n

n8nは必ずこの場所にデータを保存するように作られています。

n8nのコンテナのセッティング

入力したら右下にある
「Run」
をクリック。
クリックするとパソコンにn8nがインストールされます。

「Run」をクリックすると画面上にたくさんの文字が表示されます。
表示がストップしたら
http://localhost:5678/
というリンクをクリックしてください(場所は下の画像を参考)。

n8nのローカル環境URLをクリック

クリックしたらn8nのセットアップ画面が表示されます。
項目をそれぞれ入力し、保存したら
「Next」
をクリックしてください。

n8nのセットアップ画面

クリックしたら初期設定は完了です!
無事にローカルにn8nがインストールできたら、以下の画面が表示されます。
この画面が表示されたらURLをブックマーク等で保存しておいてください。

ローカルで起動したn8n

ローカルにインストールしたn8nをアップデートする方法

ここまでの内容で、n8nをローカルにインストールできたと思います。
けれど、n8nはかなり頻繁に更新されます。
更新時に新機能がリリースされることも多いので、n8nの定期的なアップデートは欠かせません(セキュリティ面でもアップデートは重要!)。
ここからは、ローカルにインストールしたn8nのアップデート方法を紹介します。

アップデート前にバージョンを確認する

アップデート方法を紹介する前に、いま使っているn8nのバージョンを確認する方法を紹介します。

まずは、ローカルにインストールしてるn8nにアクセスしてください。
アクセスしたら以下の流れで操作します。

  1. サイドバーにある「Help」をクリック
  2. 「About n8n」をクリック
n8nのバージョンを確認できる場所

「About n8n」をクリックすると以下の画面となり、ここでバージョンを確認できます。

n8nのバージョンを確認

バージョンを確認したら、もっと新しいバージョンのn8nがリリースされてないかをチェックしましょう。
n8nの更新情報はn8n公式のリリースノートで確認できます。
もし新しいバージョンが出ていたら更新しましょう。

n8nの公式リリースノート

【重要】データをバックアップする

n8nの更新作業に入る前に、念のため既存のデータをバックアップしておきましょう。

バックアップ方法は簡単で、パソコン内にあるn8n保存先フォルダをコピペするだけでOKです。
具体的に言うと、データはn8nインストール時にHost pathとして指定した場所に保管されています。
更新前にコピーして保管しておいてください。

場所がわからない場合は、指定したフォルダ名で検索してください。
すぐ見つかるはずです。
※もしHost pathを設定していない場合はバックアップが取れません

Dockerのimagesで最新バージョンをダウンロード

ここからn8nの更新作業に入ります。
まず、Dockerデスクトップを起動してください。
起動したら、以下の流れで操作します。

  1. サイドバーの 「Images」 をクリック
  2. 「Pull」を押してn8nの最新バージョンをダウンロード

下の動画も参考にしてください↓

既存のコンテナを停止&削除

次は、既存のコンテナを操作します。

Dockerデスクトップのサイドバーにある「Containers(コンテナ)」をクリックします。
クリックしたら、既存のコンテナを停止し、削除してください。
ゴミ箱ボタンをクリックすると削除できます。
操作方法は下の動画を参考にしてください。

新しいコンテナを作成してアップデート完了

次は、Dockerデスクトップのサイドバーにある「Images」 に移動します。
移動したら、先ほど「Pull」を押して最新バージョンをダウンロードしたn8nを起動します。
「Run」をクリックしてください。

「Run」をクリックすると設定画面になります。
再びポート番号やpathを指定し「Run」をクリックします。

お疲れ様でした、これで更新は完了です。
n8nを起動し、最新バージョンになってることを確認してください。

ローカルなら無料でn8nの料金を気にせず勉強できる

冒頭でも紹介しましたが、ローカルからn8nを使う最大のメリットは「お金」です。
n8nのクラウド版だと月間3,200〜4,000円。
レンタルサーバーにインストールするタイプのセルフホストだと、月間数百円から3,000円程度のコストが発生します。
これが、この記事で紹介した方法だと0円、つまり無料になります。

ただし、この方法は以下のデメリットもあります。

  • チームで共有できない
  • パソコンがスリープになったり電源オフになるとn8nも動かない
  • APIなどの連携で都度作業が発生する

とはいえ、無料というのは本当に魅力的ですよね。

個人的には、独学でn8nを学ぶなら最初にn8nのクラウド版を2週間無料体験するのがおすすめです。
そして無料体験期間が終わったら、n8nをローカルにインストールして、どんどんワークフローを組みましょう。
この流れが最もコスト的には優れてるのではないか、と考えています。

n8nは様々なタスクを自動化できる魅力的なツールです。
ぜひ使い方をマスターし、業務自動化に役立ててください!

当サイトでは、n8n初心者向け講座として以下の記事も書いています↓
手を動かしながらワークフロー作りを学べるのでぜひ参考にしてください。