2022年11月にChatGPTがリリースされて以来、AI業界は大いに盛り上がっています。
そんな中、2024年頃から急速に利用者を増やしているのが「動画生成AI」。
下の図はGoogleで「動画生成AI」と検索した人の推移データです(参考:Googleトレンド)。

ご覧のとおり、2023年1月にはゼロに近かった検索数が現在(2025年5月)までほぼ右肩上がりで増えています。
つまり、動画生成AIに興味を持つ人はここ数年増え続けているのです。
動画生成AIは映像業界だけでなく、ビジネス・広告・エンタメ・教育など幅広い分野での利用が期待されています。
けれど2025年の段階で国内外あわせて数十個以上の動画生成AIサービスが乱立しており、企業や個人はどのサービスを使えばいいのかわかりにくい状況です。
じっさいのところ、現在どの動画生成AIが人気なのでしょうか。
また、動画生成AIはどんな目的で利用されているのでしょうか。
当サイトは動画生成AIの利用者214人に対して以下のアンケートを実施し、回答をもらいました。
- どの動画生成AIを使っていますか?
- 最も好きな動画生成AIはどれですか?
- 平均すると毎月いくら課金していますか?
- どのような目的で動画生成AIを利用していますか?
この記事ではアンケート結果をランキング形式で紹介します。
「いま人気のある動画生成AIはどれだろう?」
「どの動画生成AIを使ったらいいんだろう?」
「動画生成AIを使うと毎月どれくらいの出費なんだろう?」
こんな疑問を持っている方はぜひアンケート結果をチェックしてください。
【10秒でわかる!】この記事の要約
動画生成AIの利用者214人へのアンケート結果をまとめると以下のようになります。
- 利用者数ランキング1位の動画生成AIはRunway
- 最も好きな動画生成AIランキングでもRunwayが1位
- 動画生成AI利用者の半分以上は無課金(0円)で利用している
- 利用目的ランキングは「SNSへの動画投稿」が1位。全体の約17%は仕事でも活用している
「使っている動画生成AI」「動画生成AIの利用目的」などのランキングをシンプルにまとめると以下となります。

調査対象:動画生成AIの利用経験者214名
調査地域:全国
調査期間:2025年2月21日~26日
調査方法:インターネット調査
この調査結果はPRTIMESでもリリースしています。
ぜひプレスリリースもチェックしてください。
PRTIMESで公開したプレスリリースのリンクはこちら↓
【生成AIの利用実態調査】「どの動画生成AIを使っている?」動画生成AIの利用者214人へアンケート調査!
ここからはアンケート結果を個別で紹介します!
利用者が多い動画生成AIランキング1位はRunway!
今回の調査では動画生成AIの利用者214人を対象に、どのサービスを利用しているか尋ねました。
アンケートでは46のサービスに投票が集まり、ランキング1位に選ばれたのはアメリカ企業が運営するRunwayでした!
続いて、2位はCanva、3位はSora(ChatGPT)という結果になりました。

個人的にはやや意外でしたが、動画生成AIに特化していないサービスのランクインが目立ちます。
ピックアップすると、Canvaは世界的人気を誇るデザインツール。
Vrewは人気のある動画編集ツールですし、Soraは生成AIであるChatGPT内の一機能です。
ただ、2位のCanvaの動画生成AI機能はRunwayのシステムを活用しています(参考:Runway)。
これをふまえるとRunwayのシェアは3分の1近くになり、現在のところ頭ひとつリードしてると言えそうです。
上位にランクインしたサービスへはリンクはこちら(上位順です)↓
2024年・2025年から動画生成AIの利用を開始した人が約8割
動画生成AIの利用を開始した年は、最多が2024年で全体の約60%、2位は2025年でした。
2024年・2025年を合計すると全体の79.4%となり、ほとんどの人が2024年以降から動画生成AIの利用を開始しています。

動画生成AIサービスが増えはじめたのは2023年頃。
そして2024年、一気に利用者が増えました。
おそらく人気サービスのKLING AIやPikaがその前後でサービスを開始した影響でしょう。
このアンケートは2025年2月に実施したものですから、2025年にはさらに利用者が増加すると予測されます。
「最も好きな動画生成AIランキング」でも1位はRunway
「あなたが最も好きな動画生成AIを教えてください」というアンケートでも、ランキング1位はRunwayでした!
2位はCanva、3位はSora(ChatGPT)です。

アンケートでは投票した動画生成AIが好きな理由も尋ねているので紹介します。
まずはRunwayから。
- 完成する映像のクオリティが高いからです
- クオリティが高く、他の動画生成AIより、意図したものがつくりやすいように感じているからです
- 操作が簡単で高品質な動画が作成でき、字幕も作成することが出来るから
- 他のサービスと比べて高品質な動画を生成できるから
- 短いショート動画を作る際に画像などで簡単に作成できるから
- 生成もできるし編集までできる
- 操作が簡単で高品質な動画が作成でき、字幕も作成することが出来るから
とくに目立ったのは画質に関する内容です。
他の動画生成AIよりも画質の面で優れてる、という意見がとても多かったです。
他にも編集機能がある点や使いやすさを指摘する声も目立ちました。
次は2位のCanvaを選んだ理由を紹介します。
Canvaで特に目立ったのは「使い慣れてるから」という声です。
- 元々画像編集で使っていたため使いやすかったから。あと機能が豊富だから
- もともと画像生成AIとして使っていたから
- Canvaを画像や動画の編集として使っているから
- Canva以外は使ったことがないから
- これしか使っていませんが、シンプルでわかりやすから
- 無料で使えるから
Canvaは日本でも多く使われているデザインツールです。
利用者数が多いこともあり、Canvaを動画生成AIとしても使っている人が多いようです。
3位のSora(ChatGPT)でも似たような回答が多いです。
- いつも使っているので切り替える必要がないから
- 会社でも使っていて動画生成だけでなく文書も作れるので使いやすい。変な画像が生成されることもあるので面白い
- もともとOpenAIのChatGPTに魅了されていたからです。その延長で利用を始めました。chatGPT Plusの利用者なら料金も安いです
- 動画系のAIで一番初めに触ったので、扱いやすく感じる
- OpenAI社が開発しているので信頼性があるから
CanvaもSora(ChatGPT)も普段使ってるツールで、ツールを切り替えずにそのまま動画を生成できる、というのが人気のポイントになってることがわかりますね!
動画生成AIへの毎月の課金額は0円のユーザーが過半数
動画生成AIの利用者は毎月いくら課金してるのでしょうか?
アンケートでは、無課金のユーザーが約52%でした。

課金ユーザーが最も多いのは、2,000円〜3,999円の範囲。
課金ユーザーの中には毎月3万円以上課金する猛者もいますが、全体的には堅実な傾向がうかがえます。
ただし、このアンケートでは
- Canva
- ChatGPT
などのツールに有料課金しているユーザーが「0円(無料会員として使っている)」と回答した可能性があります。
動画生成AIに課金している、という意識はおそらく無いですからね。
本当に無課金で使っているユーザーはアンケート結果よりも少ない可能性があることをご理解ください。
利用目的は「SNSへの投稿」「趣味」が1位・2位!全体の17%は仕事で利用
最後に紹介するアンケートは「動画生成AIの利用目的」です。
1位は「SNSへの投稿」で、2位は「趣味」でした。
仕事で活用してる人も多く、全体の約17%は仕事目的で動画生成AIを活用していました。

SNSへの動画投稿はYouTube・TikTok・Instagramにショート動画投稿するため、と回答した人がほとんどです。
回答の一部を紹介します。
- SNS向けの短いプロモーション動画や、ブログ記事のサポートとして動画コンテンツを作成するために動画生成AIを使用しています
- ショート動画やイメージしたい動画を作りたいときに使っています
- ショート動画に試しで投稿するために使ってます
利用目的に関するアンケートで最も興味深かったのは、2025年2月の段階で仕事目的で動画生成AIを使ってる人が2割近くもいた点です。
具体的には
- プレゼン用の資料を作るため
- 製品の広告動画を作るため
- 求人動画を作るため
- 映像制作の補助
- PV・MVの制作
などの目的で利用してる人が目立ちました。
じっさいに受け取った回答を紹介します。
- 会社の業務内で、所属課の業務内容を説明する社内向けプレゼン資料内の動画生成につかってます
- 求人募集や指導用資料を作るためです
- ショート動画に試しで投稿するために使ってます
- 仕事のデモンストレーションやムービー制作が主な利用目的です
- マーケティングの一環として、自社製品の広告を作るために利用しています
- SNSで自社製品の周知のために使っています
- プレゼン用の資料や動画の編集などに使用する素材を作成してます
- 自社の案内動画などを作る目的で利用してます
2025年の間に仕事で動画生成AIを活用する人がさらに増えると予想されます。
社内や取引先にいきなり依頼されて困らないよう、今のうちから準備すると良いかもしれませんね。
アンケート結果から動画生成AIの今後の普及を分析・予測
動画生成AIの利用者214人に尋ねたアンケート結果をもとに、動画生成AIの普及や今後の使われ方を分析・予測します。
端的にいえば、動画生成AI利用者の両極化が進行すると予測します。
具体的には
- 仕事・副業・本格的な趣味で使いたい人は特化型の動画生成AI
- ライトな趣味・楽しみとして使いたい人は汎用的な動画生成AI
このように、利用目的によって使うサービスはガラリと変わると予測しています。
特化型の動画生成AIはビジネスでの利用が増える
「特化型の動画生成AI」とは動画生成に特化したAIで、代表的なサービスは以下です。
- Runway
- Pika
- Luma Dream Machine
- KLING AI
- Hailuo AI
- Adobe Firefly
- Pictory
- Pollo AI
- Invideo AI
これら特化型の動画生成AIには以下の特徴があります。
- 高品質
- 多機能
- 品質向上・機能改善・機能追加の頻度が高い
- 商用プランが用意されてることが多い
よってプレゼン動画作成や広告用の動画作成などで十分活用できます。
今回のアンケートでは全体の約17%が仕事で動画生成AIを活用していました。
こんご動画生成AIがビジネスで利用されるケースはさらに増えるはずです。
趣味や副業等でこれらの特化型を使う人もたくさんいます。
既に動画生成AIを使いこなすクリエイターが国内外で多数誕生しており、AIを活用したクリエイティブの幅を広げています。
副業をふくめた仕事やクリエイティブな活動において、こんご動画生成AIはなくてはならない存在になるでしょう。
汎用的な動画生成AIはライト層を取り込む
「汎用的な動画生成AI」とは動画生成以外のことにも使える動画生成AIです。
今回のアンケートでもランクインした以下のサービスが代表格です。
- Canva
- Sora(ChatGPT)
- Vrew
汎用的な動画生成AIには以下の特徴があります。
- 料金が安く無料で使える機能が多い
- 動画生成以外の機能も豊富
一言でいえば「使い勝手がいい」のが汎用的な動画生成AIの特徴です。
汎用的な動画生成AIの場合、動画生成以外の目的でそのサービスを使い始める人が多いです。
よって潜在的な動画生成AIユーザーが初めて動画生成AIを試すサービスにもなります。
となると
- 汎用的な動画生成AIで動画生成を経験する
- 動画生成に興味を持ち、特化型の動画生成AIを利用する
このような動きをユーザーも出てきます。
おそらく、こんご自社のサービスに動画生成機能を搭載するSaaSは増えます。
これにともない動画生成AIに触れるユーザーも増えるはず。
全体としては動画生成AIのユーザーは右肩上がりで増えていくと予測します。