n8nは2025年7月14日にコアアップデートを発表しました。
このアップデートにより「AIエージェントツールノード」が作れるようになり、その結果、AIエージェントでAIエージェントを管理できるようになりました。
具体的には

  • プライマリAIエージェントノードが親
  • AIエージェントツールノードが子

このような階層構造でAIエージェントを機能させることができます。
言い方を変えると、ひとつのAIエージェント(親)が複数のツールノード(子)に指示を出すような構造が可能になったのです。

といってもイメージしづらいと思うので、私が作ったワークフローを見てみましょう。

AIエージェントを管理するAIエージェントのイメージ

この記事では

  • AIエージェントツールノードを利用するメリット
  • AIエージェントツールノードの使い方

などを解説します。

AIエージェントツールノードを利用する3つのメリット

はじめに、AIエージェントツールノードを利用するメリットを解説します。
AIエージェントツールノードを利用する3つのメリットは以下の3つです。

  • ワークフローを管理しやすくなる
  • AIエージェントに指示をしやすくなる
  • トークンの消費を減らせる

ワークフローを管理しやすくなる

ひとつ目のメリットは
「ワークフローを管理しやすくなる」
です。

n8nでワークフローを構築すると、内容によってはかなり大規模になり、どこで何が動作してるかわかりにくくなります。
けれど、AIエージェントツールノードを使うと、会社の組織図のように、縦割りでタスクを実行できるようになります。

AIエージェントツールノードの活用イメージ

従来のn8nでは、AIエージェントに複数のタスクを直接持たせる必要があり、ワークフロー構成が複雑になっていました。
しかし、新たに追加されたAIエージェントツールノードを使えば、各タスクを分離して管理できるようになります。

会社で例えるなら、プライマリAIエージェントが社長です。
AIエージェントノードは部長(と部長が管轄する組織)みたいな感じですね。
そして、社長からの指示をそれぞれが分業で実行するイメージです。

このような分業制にすることで、どこでどんなタスクが実行されてるかがわかりやすくなります。
よって、ワークフローが管理しやすくなるのです。

AIエージェントに指示しやすくなる

2つ目のメリットは
「AIエージェントに指示しやすくなる」
です。

これまで、n8nでAIエージェントを使うときはシステムプロンプト、つまり指示がとても長くなることがありました。
しかし、AIエージェントツールノードを使うと、それぞれのAIエージェントツールノードにシステムプロンプトを記入できます(やり方はあとで解説します)。
これにより、ワークフローを管理する私たちがAIエージェントに指示を出しやすくなります。
この部分についてはAIにとっても同様で、それぞれのAIエージェントが何をするべきか明確なので、AI側も混乱することが減ります。

トークンの消費を減らせる

3つ目のメリットは
「トークンの消費を減らせる」
です。

n8nでAIエージェントを使っていて、上手く動かないとき、以前は全体を動かしてエラーになってる部分を探す必要がありました。
全体を実行すると、すべてのAIノードがAPIにアクセスし、それぞれトークンを消費します。
しかし、AIエージェントツールノード単体で実行すれば、不要なノードの実行を避けることができるため、効率的です。

具体的には、ノードの上にある開始ボタン(下の画像を参考)をクリックすると指定したAIエージェントツールノードだけを動かせます。

AIエージェントツールノードを部分実行

この機能を使えば、動作が上手くいかないノードだけを部分的に実行できます。
なので、わざわざ全体を動かす必要がなくなり、その結果消費トークンが減ります。

AIエージェントツールノードの使い方

ここからは、AIエージェントツールノードの使い方を解説します。

① AIエージェントノードを追加

AIエージェントツールノードはAIエージェントノードの紐づいたノードです。
よって、まずはAIエージェントノードを追加しなくてはなりません。

下の動画を参考にしてAIエージェントノードを追加してください。
追加すると自動でトリガーとして「When chat message received」つまりチャット入力できるノードが追加されます。

追加したAIエージェントノードには以下の2つを追加します。

  • Chat Model(生成AIのこと)
  • Memory

Chat Modelは色々な選択肢がありますが、ここでは「OpenAI Chat Model」を選びました。
Memoryは定番の「Simple Memory」でOKです。

「OpenAI Chat Model」と「Simple Memory」を選択

AIエージェントノードの追加と設定はこれで完了です。

② Toolの部分にAIエージェントツールノードを追加

次はAIエージェントツールノードを追加します。
AIエージェントノードにある「Tool」の部分をクリックしてください。
そして「AI Agent」と検索すると、「AI Agent Tool」という名前のノードが見つかるはずです。
追加方法については以下の動画も参考にしてください。

③ AIエージェントツールノードを設定する

最後に、AIエージェントツールノードを設定します。
まずChat Modelを追加してください。
Chat Modelはもちろん何でもOKです。

Chat Modelを追加したら、AIエージェントツールノードをクリックしてください。
クリックしたら以下の2箇所を記入します。

  • Description
  • Prompt (User Message)
DescriptionとPrompt (User Message)

Descriptionは、上位のAIエージェントに向けて、このノードの役割を記載する箇所です
AIエージェントが判別しやすいよう、明確な役割を指定してください。

Prompt (User Message)は、そのAIエージェントツールノードの役割、具体的なタスクを入力します。
こちらも明確な役割、タスクの内容を記載してください。
AIエージェントツールノードの設定はこれで完了です。

記事内でも述べましたが、この記事ではAIエージェントツールノードの追加方法と設定方法のみを解説しました。
AIエージェントツールノードを使ったワークフローの作り方については、以下のリンク先記事で解説しています。
ぜひチェックしてください!

【n8n初心者向け講座6】個人秘書のようなAIエージェントを作る